過食を治す食事?効果的だった「温める、重さ」の不思議をシェア。
- S H
- 2018年11月2日
- 読了時間: 9分
2018-11-01
Contents
過食対策に効果的だった不思議な方法
過食やそれに伴う鬱を克服していくにあたり、私は長年さまざまなことを試してきました。「そもそもあの過食欲求に、対策などあるはずがない」と降参している部分すらあったのですが・・・。
しかしそんな中でも、不思議で印象的だった「過食対策」がありました。それは、
・偶然に発見して効果を感じたもの
・ダメもとで試して効果があったもの
・本やネットに書かれていないが効果があったもの
などでした。
医療的なアドバイスではありませんが、体験談としてシェアさせていただければと思います。
あたたかさ・重み・たんぱく質が鍵
過去記事でも触れたのですが、過食の猛威を落ち着かせる食事法は、昔ながらの温かい手料理が一番でした。和食中心で、たんぱく質をしっかり摂れるメニューが理想です。
その中でも印象的だったポイントは以下の4つです。
■印象的だった過食対策、4つのポイント
食事の温かさ
たんぱく質と野菜
気温の暖かさ、体の温かさ
温かさに加え「重み」を感じる食べ物
これらを、少しずつ紐解いていきます。
過食対策は、昔ながらの温かい手料理
厳しい制限より温かい料理を
過食の無限ループを和らげるには、空腹時にできるだけ調理したての温かい食事を摂ることが効果的でした。
自炊がベストでしょうが、外食であったとしても、ファーストフードよりも定食屋さんなど、昔ながらの家庭料理により近いものだとよいようでした。
家庭的なご飯やさんや、定食屋さんなどでバランスよく食べると、家で偏った食事をするより結果が良いことも多いのです。
外食は悪とされがちですが、日頃食べない魚介類を注文する、多品目の定食を選んでご飯は少し残すなど、食べ方によってはプラスにもなります。
私の場合、日中厳しい食事管理に徹すると、夜に過食に走るパターンも多かったです。「朝食は抜いて、昼はサラダと鶏肉、夕食も冷蔵庫の野菜で作ったヘルシー料理だったから、夜お菓子食べてもいいよね。」といったふうに・・・。
このメカニズムは「スタンフォードの自分を変える教室
」の「第4章 罪のライセンス」にて分かりやすく紹介されています。先に体験して、後で仕組みを知り、妙に納得させられました。
簡単に言うと「よいことをすると、そのあと“悪いことをしてもいい”と思ってしまう。」といった感じでしょうか。
そのようなワナにはまるより、最初から脳(心)や胃腸、体の隅々にも「食べたよ~」しっかり伝わるように、温かく適度にカロリーのある食事をいただいたほうがよいようです。
一汁三菜で、たんぱく質と野菜を
食事の際は、「ごはん、お味噌汁、野菜(しっかり)、たんぱく質のおかず(肉や魚など)」というふうに、バランスが取れているものが過食対策にもなぜか効果的です。
いわゆる一汁三菜です。一汁三菜は、「汁ものを一品、おかずを三品」という意味です。三菜のうちの一品は焼き魚などの焼物を指しています。(現代では肉料理も該当。)
和食は、何より日本人の体質に合っているようです。しいてデメリットをあげるなら、以下のものでしょうか。
塩分がやや多い
動物性たんぱく質が少なめのことも
煮物に意外と砂糖が使われること
しかし、現代では調味料や調理法自体が減塩、糖分カット傾向にあります。肉類も気軽に摂れます。
また、私は白ごはんを食べることに罪悪感を感じていたのですが、最近では白米に混ぜて炊くタイプの雑穀米(十六穀米
など)も充実しています。これは食べ応えがあって美味しいですよ。
進化した和食こそ、最強のバランス栄養食かもしれません。
良質のたんぱく質と脂質、新鮮な野菜
過食の際は、糖質や脂質の摂取量が増えて良質なたんぱく質や良質な油(青魚の油など)が不足しがちです。栄養不足だと、人は何か食べたくなってしまうものです。
私の場合は、動物性たんぱく質である魚(特に青魚)、卵、豚肉、チーズなども摂取した方が効果的でした。(個人差はあると思います。)
また、野菜は単に低カロリーで食物繊維があるだけでなく、ベータカロチン、カリウム、カルシウム、その他ファイトケミカル(植物性栄養素。抗酸化作用などがある。)などを含みます。
野菜ジュースではなく、できるだけ新鮮なものを摂りたいものです。
ジャンク度を下げ、温かいものを
過去記事にも書いていますが、食べ物のジャンク度を下げていき、できるだけ温かい手料理に近付けることは過食対策に効果的でした。できるところからでよいのです。
私など、スナック菓子や甘い菓子パンばかり食べていた頃、「コンビニの幕の内弁当」でさえ「なんてバランスのよいお弁当なんだ」と感じていたくらいです。
健康的な友人が「コンビニ弁当なんて毎日食べてたら、どこかおかしくなりそう」と言ってたのを聞いて、ものすごくびっくりしました。「友人は一体、普段どんなものを食べているのだろう。余程、健康的な食生活なんだろうな」と。
実際、家庭によって食事の健康度には差があります。私が過去に栄養士のお母さんを持つ友人宅にお泊りに行った際は、ヘルシーかつ美味しい食事が出されて感動したものです。
「栄養士のお母さんが温かい家庭料理を作ってくれる環境!」、涙が出るほど羨ましく、喉から手が出るほど欲しかったのですが、それは手に入らなくても過食症は治すことができました。
反対に、完璧だったり過干渉だったりする母親が原因で苦しんでいるかたもいらっしゃいます。家庭環境がどうであったに関係なく、過食症は治せると私は信じています。
人の温かみと、心の切り替え
人の温かみを感じながら食べる
これは私だけかもしれませんが、過食真っ最中のときは、家で無理に自炊して食べるより、「おひとりさま」でもお気にいりの外食(バランスのよいもの)をしっかり食べてきた方が夜の過食率は減りました。
夜、帰宅して「しっかり食べてきたから、もう寝るだけでいいや」、という気持ちにもなりやすいですし、他にも「あたたかみのある雰囲気の中、人と一緒に食べる」という行為が、心(脳)を満たしていたのかもしれません。
「家で沢山過食するくらいなら、安いわけではないけど、お気に入りのご飯やさんで食べて帰ろう。(過食に掛かるおやつ代分、夕食代に上乗せ!)」
「過食するお菓子は買わない分、外食のときは腹八分ではなく腹九分強くらい食べていいかな。」
こんな風に、自分にちょこっと甘く優しくして楽しんでいました。
逆に家にいることが窮屈だったり苦痛だったりする場合は、水面下で「家を出るプラン」を立てて「それまでは活用させていただきますね。ご飯の支度、いつもどうも。」と心の中で割り切っていても、バチはあたらないでしょう。
実際そういう人たちは私の身近にいます。家を出て、たくましく生き、今では仕事に育児にと充実しているようです。そして私も、今は料理を作ることが大好きです。
寒い時期に悪化する過食対策
秋冬に食欲が増す理由
私は、季節的に「あたたかい時期」の方が過食を治しやすく、「寒い時期」は酷くなりやすかったです。
寒い時期の方が食欲が増す傾向があるのは、私だけではないようです。
・健康な人でも、冬に脳内セロトニン利用率が顕著に低下する。(参照:NIKKEI STYLE ナオジョ 光だけではダメ「バナナ」で冬季うつを治療)
・日照時間が短くなり、季節性うつ病(冬季うつ、ウインターブルー)になりやすく、特に糖質を多く摂りたくなる。
・気温の低下による基礎代謝の変化。寒い時期は体温を上げるために食欲が増える説。(参照:タニタの健康応援ネットからだカルテ 季節によって食欲がアップするのはなぜ?)
などいくつかの理由が考えられています。
個人的には、冬のイベント「クリスマス」や「年末年始」に過食が一番酷かった気がします。一人ぼっちのときは特に悪化したので、孤独感やストレスの影響もあったはずです。
私の場合は、秋冬というより寒くなってから(11月下旬ごろ)~桜の季節頃までは過食や鬱が悪化しやすい気がします。桜が散り、日差しが強くなりゴールデンウイークに近付いてくるとエンジンが掛かりやすいです。個人差があるのでしょう。
明るさと温めで対策
対策としては、シンプルに明るさや温めの力を借ります。
■寒い時期の過食対策
1、朝はしっかりカーテンを開け朝日を浴びるようにする(曇りや雨の日でも室内より明るい)。
2、たんぱく質のおかずと適度な糖質は摂るようにして、体温を上げる。できれば多品目摂る。
3、大きな筋肉を動かす運動をする。体も温まるし、セロトニンにもよい影響が。
4、冷えが強い場合、腹巻やレッグウォーマー、ホッカイロ(お腹と背中、時には足の裏に)、などの力も借りる。
などなど・・・。暑がりさんの場合は、むやみに温めるのではなく、冷やしすぎない程度でいいと思います。
温かさプラス「重み」のある食べ物
過食を防ぐのに「食べ物の重み」が関係しているような気がする・・・。そう感じていたものの、当時、ほとんどそのような情報は見られず、自分でも上手く説明できずにいました。
ですが、感覚的に「軽さを感じる、くちどけの良い」加工食品より、加工度が低く、ずしりと「重み」を感じる食べ物のほうが、満腹感・満足感が得られ、過食欲が生じにくいと感じています。
今からちょっと生々しい表現をします(ご注意を)。
皮肉にも、過食しやすい食べ物は、唾液を含んであたたかいお口の中で噛めば、どろどろとなりやすく、“吐きやすい”、“下剤で出しやすい”ような食べ物が多い気がしています。
あまり噛まずにくちどけよく入っていく、高脂肪のものや甘い物が要注意です。食物繊維も少なめのことが多いでしょう。
■軽さを感じる、くちどけの良い食べ物の例
スナック菓子
パン(特に、ハードブレッド以外)
ドーナツ
ケーキ
プリン、クリーム系
チョコレート
クッキー
アイスクリーム
ソフトせんべい
具の少ないカレーやシチュー、グラタンなど
フライドポテト
カップラーメン・・・などなど
一方、よく噛まないと食べれないもので、なおかつ温かく重みのある食べ物は、胃の中で存在感を感じます。胃の中にも、満腹のサインがあるのかもしれません。
■温かさや重さを感じる食べ物の例
ごはんとおかず
具沢山や、海苔で巻かれたおにぎり
具沢山の味噌汁
肉料理
大豆製品(絹豆腐より木綿豆腐、冷たいより暖かいもの)
多品目の和食
根菜のおかず・・・などなど
これらは同じカロリーでも、パン2~3個とは重みが違います。
しかし体感的なもので、「グラム数」で考えると、パンに500mlの清涼飲料水を飲み干したらあまり変わらないかもしれません。
正確にはもっと他の理論のほうが説明しやすいのかもしれません(血糖値、GI値、腹持ちなど)。
ですが以下のようなものは、血糖値だけではなく、何かしらヒトの満腹・満足に働きかける要素としてあるのではないでしょうか。
食べ物の温かさ
食べるときの環境のあたたかさ(気温、人の有無)
たんぱく質や食物繊維などの影響
重み(消化器官への刺激)
特に「温かさ・重み」に関しては本やネットで知った知識ではなく、体験的なものです。
根拠がなく自身が無かったのですが、たまたま見た論文(「食欲の生理」東京都老人総合研究所 土屋勝彦,入来正躬)に、何か通じるものを感じたので、今回記事にしてみました。
これからも分かり次第、手探りですが記事をUPしていこうと思います。
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