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過食症を克服した体験談をブログに。HSP、意志力など今だからこそ分かることも。

  • S H
  • 2018年10月24日
  • 読了時間: 8分

2018-10-24

カンジダの克服をメインに書いている当サイトですが、少しずつ摂食障害やそれに伴う鬱を克服した記事も増やしていけたらなぁと思っています。

Contents

摂食障害(拒食症、過食症)の克服

私は中学生の頃拒食症になり、20代の間はずっと過食症でした。途中で軽くなることもありましたが、完治したと言えるのは30代に入ってからです。

更に言うと、小学生時代から食事を甘いコーヒーやパンで済ませることが多く、食生活と健康については根深い課題を抱えていました。食育のスタートライン近くから間違っていたので、修正していくのが大変でした。

私は、青春時代やおそらく女性がいちばん美しい時期を、摂食障害と共に過ごしてきました。

しかし、このような私でも摂食障害やそれに伴う鬱状態は治ったので、何らかの情報をシェアできるのではないかと思っています。

摂食障害が治った過程については様々な要素が絡み合っていて、とても一言では説明できないのですが、当サイトで少しずつ紐解いていけたら幸いです。

(カンジダについてもですが、時が経ち多少忘れかけている部分もあるので、正確でない部分もあるかと思います。ご容赦くださいませm(_ _)m)

摂食障害になりやすい脳?「なぜ止まらない」

満腹や空腹とは別の「過食欲」

「過食衝動をコントロールできず食べてしまう。過食を止めたいのに止められない・・・。過食が酷い時は鬱もあるみたい。」私は長いあいだ苦しんでいました。

私はなぜ自分自身に不利益なことを繰り返してしまうのか、人として純粋に疑問でした。自分自身のことですら理解不能だったのですから、人から見たら「意志が弱い」や「甘え」と思われても仕方なかったのかもしれません。

それでも「意志の力」が及ばない中毒のような食べ方に、私は完全に参っていました。

ふと過去に目にした、ある実験の記述を思い出していました。

・満腹中枢を破壊されたネコは、食べ続けて肥満になる

・空腹中枢(摂食中枢)を破壊されたネコは、食べずにやせ細る

何とまあ怖い実験でしょう。

脳の視床下部にあるというそれらの中枢が、私の場合きちんと機能していないのではないかと不安になりました。

「満腹」や「空腹」の加減で生じる「食欲」とは別の、もっと強烈な「過食欲」という引き金がどこかに存在するようでした。

なぜ過食が止まらないか医師に聞いてみた

ある日、思い切って総合病院の心療内科へ通い、医師に質問しました。「なぜ過食が止まらないんでしょうか。私はどうなっているんでしょうか。」といったことを。

医師の回答は大まかに以下のようなものでした。

・過食症の患者さんは皆さんそうおっしゃいます

・原因はまだはっきりとは解明されていない

・元々発症しやすい人はいるようだ

とりあえず脳の視床下部が破壊されている訳ではなさそうでしたが、原因がはっきり分かっていないものを治療するというのも何だかすっきりしませんでした。

(ちなみに、原因が分からなくても治りましたので、むやみに不安にならなくて大丈夫だと思います。)

そして、他のクリニックでもそうでしたが、過食に直接効くお薬はないようで、試すとしたら「抗うつ薬」や「抗不安薬」になるようでした。

私の場合は、

・SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)のパキシル

・抗不安薬のソラナックス

この2つを試しました。

ただし、使ってみると副作用で余計きつく、すぐに中止になりました。(これはもう何年も前の話ですので、今はもう少し医療の進歩があるかもしれません。)

なお、食欲や体重に影響が出る病気は、摂食障害以外にもあります(バセドウ病など)。摂食障害の疑いがあり未受診の方は、一度心療内科でよく相談されてみてくださいね。

とても敏感、繊細な気質(HSP、HSC)

「元々、過食症を発症しやすい人というのはいるようだ」との医師の説明には納得でした。心当たりがあったのです。

元来、私はストレスに弱く、大人しい子供でした。特に、以下のような傾向が見られました。

  1. 内向的

  2. ネガティブな感情を抱えやすい

  3. 特に、羞恥心や罪悪感を感じやすい

  4. その反面、ささやかな幸せを感じやすい

  5. 共感しすぎる

  6. 想像力豊か、クリエイティブ

  7. ストレスの影響を受けやすい(食欲の増減など)

  8. 疲れやすい・・・などなど

のちに私は

HSP(Highly Sensitive Person)とても敏感な人

HSC(Highly Sensitive Child)とても敏感な子供

に該当していたことが判明しました。(エレイン・N・アーロン博士が1996年に考案。日本で注目されたのはここ数年だと思います。)


HSPが原因の全てではないと思いますが、私の偏食や食べ過ぎ、摂食障害の根底には、特に、「ストレス耐性の低さ」「罪悪感の抱えやすさ」があったように思います。

純粋過ぎて、生きていけない?

コントロールできない体と生真面目さ

実は私は、はっきりと摂食障害になるよりも前から、「お菓子を食べ過ぎてしまい気持ち悪くなる。毎回食べた後で後悔する。」ということが頻繁にありました。

小学校高学年くらいのときにはすでにお菓子の食べ過ぎによる自責の念、罪悪感を抱えていました。コントロールが効かない体にすでに違和感を感じていました。

「また沢山食べてしまった。苦しい。食べ物に困っている国もあるのに。神様、助けてください。」そんな風に、願っていました。子供なりに純粋に何とかしたかったことをよく覚えています。

高校生になり、世界史などを教えている先生に「過食が止まらない。世界には飢えている人もいっぱい居るのに。つらい。」と打ち明けたことがありました。

先生からは「正直なところ、そんなこといちいち考えていたら生きていけないよ。」といった答えが返ってきました。

高校時代の私は「先生、ちょっと冷たい。」と感じましたが、先生の本音だったのだろうなと思います。それに、高校の世界史の先生が、飢餓の国の人たちのことをしょっちゅう気にかけていたり、生徒に共感しすぎたりしていては身が持たないかもしれません。

清らかに生きたい私と、そうはいかない肉体

清らかな生き方を望む脳と、いうことをきかない体に私はもどかしさを感じていました。そして、美しくない容姿を長い間うらんでいました。

いうことをきかない体に打ち勝ちすぎて拒食症になったとも言えます。それでも全然足りないと思っていました。見た目の美しさ、心の清らかさ、能力などにおいて・・・。

私は大人になってからも、必死で社会について行こうとするものの、全力で走り続けないと置いて行かれる気がしていました。いつまで走り続けないといけないのだろうと苦しんでいました。

前章でも書いたように、年上の男性や彼氏からは大抵「そんなに純粋だと生きていけない」と言われて、ややあきれられたり、心配されたりしました。(女友達は一般的に共感性が高く、表面的に合わせてくれることも多く、HSPの私ですら本音が読めないことも多いです。)

私自身は、心も体ももっと清らかに美しくなりたいと願っているのにもかかわらず、お菓子やジャンクフードばかり食べてしまい、顔色もすぐれず、体はどんどん汚れていくような気がしていました。

意志の力や依存、ストレスに関することは解明されてきている

今となっては、前章のように「意思に反してやってしまうこと」の仕組みが少し理解できます。

スタンフォードの自分を変える教室」で有名な健康心理学者ケリー・マクゴニガル博士の著書が、それについて大変分かりやすく書かれてある良書でしょう。


ケリー・マクゴニガル博士の本は、ただの精神論や自己啓発本ではなく、科学的な裏付けがありました。

そしてsnsに夢中になる現代の学生から、深刻な問題を抱えている大人たちまで幅広い世代や立場の人に向けて書かれてあるのが印象的でした。

著作権に反しないように、お気にいりの箇所をごく一部だけ引用させていただきます。

自制心を発揮したいと望むなら、自己批判はかえって逆効果です。(出典:「スタンフォードの自分を変える教室」p223)

過食する自分を責めていた自分に教えてあげたいです。科学的な根拠と共に。

しかし実のところ、同じシリーズである「スタンフォードのストレスを力に変える教科書

」を読んだ際、私は焦りました。「こんなに踏み込んだ情報がすでに出回っているのか。まださほど苦労していない若い人たちにまでそれを教えるなんて・・・。」、と。

私が青春時代を費やしながら身をもって経験し気付きを得たことが、さらりと数ページで書かれていたり、私がまだ知り得ていない情報ももちろん書かれてあったり。

何年もかけてやっとの思いで会得したものが、すでにノウハウとして海外で出回っていたのにはショックを受けました(苦笑)。いや、「自分の出した答えは間違っていなかった」と考えれば嬉しいことなのですが。

私が当サイトでやろうとしていることは体験を基にした情報をシェアすることです。

ケリー・マクゴニガル博士の本を実践して効果があったこと、或いは同じようなプロセスで過食を脱却した実体験を、これから少しずつ記事にしていければと思います。

追記。本当は、当時役に立った「認知行動療法」の本もご紹介したかったのですが、10年以上前のものであり、絶版となっているようで見つけることができませんでした。もし見つかったらご紹介したいです。

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