膣カンジダとの関りが深い「リーキーガット症候群」怪しい?でも、該当するかも!
- S H
- 2017年12月20日
- 読了時間: 13分
2017-12-19
今回は、膣カンジダとの関わりが深い「リーキーガット症候群」についてみていきましょう。
Contents
膣カンジダとの関りが深い「リーキーガット(腸もれ)症候群」とは?
私が膣カンジダを繰り返していた頃、ネットでリーキーガット(腸もれ)症候群のことを知り、「自分もリーキーガットに当てはまるのではないかな?」と漠然と感じていました。
リーキーガット症候群とは、英語でLeaky Gut Syndrome、つまりLeaky(漏れる)Gut(腸) Syndrome(症候群)、直訳すると“腸もれ症候群”となります。腸壁に穴が開き、そこからウイルスや細菌、未消化の食べ物など有害な物質まで吸収されてしまう状態だそうです。それが原因で、アレルギー・便秘や下痢・腹部膨満感・集中力の低下・うつ病など数々の症状が起こると言われています。なお、カンジダ菌はリーキーガットの原因となるようです。
この病気は、主に代替医療の世界で提唱されており、西洋医学の診断名ではありません。ですので、日本の一般的な内科や胃腸科へ行っても「リーキーガット症候群」の診断や治療はありません。(開業医等ではあるかもしれません。)
「リーキーガット症候群」自体、あやしい?「腸の透過性亢進」と考える

リーキーガット症候群が西洋医学の診断名ではないと知ったとき、ちょっとがっかりしました。「ちょっとあやしいんじゃないの?」とすら感じてしまいました。西洋医学で診断名として確立していないのであれば、素人が見よう見まねで食事療法などを行うと、他の原因が見落とされたり、かえって健康を損ねたりする可能性があるのでは?と思ったからです。
リーキーガット症候群についての分かりやすい説明をネットで色々検索してみたところ、美容雑誌「美ST」の「美ST ONLINE「腸もれ」の記事がそれなりにしっくりきましたので、簡単にまとめてみました。
「美ST ONLINE」でのリーキーガット症候群の説明は、“特に代替医療にこだわっているわけではないけど美容と健康に興味のある女性向け”といった感じです。深く追求したい方には物足りないかもしれません。
✔「美ST ONLINE」で学ぶリーキーガット症候群(腸もれ)
ヤクルトの中央研究所と順天堂大学の共同研究チームにより「健康な人でも50人に2人の割合で、血液中に生きた腸内細菌がみつかった。糖尿病患者の場合は50人中14人という高確率だった」という研究報告が発表されている
現代人の腸は昔より非常に弱く、腸粘膜細胞の連結もゆるくなっている
腸から血管内に漏れ出すのは未消化の栄養分や腸内細菌など
漏れ出た異物や腸内細菌は、全身の炎症の原因に
食物アレルギーや糖尿病がその代表で、その他さまざまな不調を招き、うつや認知症との関連も
といった感じです。研究がなされているのがいいですね。そこで私は、この研究の資料を探してみました!私は特に、下記の引用部分で納得しました。「腸に穴が開く」ではなく「腸管バリア機能低下」という説明のほうが誤解を招かない気がします。
腸管の透過性亢進(腸管バリア機能低下) 腸管の上皮は、食事由来で腸に入り込んでくる細菌やウイルス、そして腸内の悪玉菌が産生する有害物質などが血液中に入らないようにするガード機能を有しますが、この機能が低下すると(透過性亢進)、細菌や腸内の有害物質が腸管から血液中に侵入し、炎症の原因となったりする場合があります。(順天堂大学 News&information 2014年6月4日)
なるほどですね。リーキーガット症候群は「腸の透過性亢進」と言ってもいいのではないでしょうか。 しかし、次の部分にはちょっと疑問に思ってしまいました。「腸もれの可能性は健康診断で分かる」というものです。引用します。
健康診断の検査結果の数値で「CRP」(C-リアクティブプロテイン)の数値が基準値(0.31mg/dl)以上に高い場合、それは体内で炎症が起きていることを示し、その原因が腸もれにあることが考えられます。この数値は、たとえば感染症にかかっている場合にも急上昇しますが、そうではないのに慢性的に高い場合は、腸もれの可能性があります。0.31mg/dl以下でもわずかな炎症があることは考えられるので完全に大丈夫、といい切れませんが、0.11mg/dl 以下なら、腸もれの心配はまず心配ありません。(衝撃! 血液中に腸内細菌があふれ出す「腸もれ」の恐ろしさ 美ST ONLINE)
あくまで「可能性が分かる」とのことですので興味があります。そういえば「CRP」は、健康診断の採血の項目のひとつにあったなと思い出しました。CRPが0.11mg/dl 以下だと腸もれの心配は無いと書いてありますが、CRPが0.11mg/dl 以下でもカンジダやアレルギーやアトピーが酷い場合、「リーキーガット症候群ではないと言い切ってよいものだろうか?」と素人ながら心配になりました(^^;)
アメリカではリーキーガット症候群かどうか調べられる!?
アメリカでは、リーキーガット症候群になっているかどうかを調べる施設もあるそうです。そこでは、「ラクツロース/マンニトールテスト」と呼ばれるテストを行います。ラクツロースとマンニトールはいずれも水溶性の糖です。人の消化管粘膜には、ラクツロースとマンニトールを分解する酵素が存在せず、正常な腸の状態であれば消化吸収されません。リーキーガット症候群の場合、マンニトールとラクツロースは吸収されてしまうので、尿中から出てきます。よって尿中のマンニトールとラクツロースが多い場合、リーキーガット症候群になっていると診断されるそうです。
私はカンジダ対策や、自分の体に合った食生活をすることでリーキーガット症候群らしき症状はほとんどなくなりましたので、「アメリカで調べたい!」という欲求に駆られることはなく、リーキーガット症候群の診断に関する疑問は取り合えずここまでにしておきます。
膣、口腔、腸のカンジダとリーキーガット症候群
口腔カンジダと腸カンジダ(消化管カンジダ症)も
私は膣カンジダに加えて、口腔カンジダも発症してしまったことがあります。
口腔カンジダを発症したとき、口の中の粘膜に白っぽいただれのようなものができ、ピリピリした痛みや違和感を感じました。すぐにかかりつけの歯科を受診したところ「口腔カンジダの疑いがある」ということで、大学病院に紹介されました。大学病院では、「酷くはないが、口腔カンジダだと思う。若い人で口腔カンジダは少ない」と言われました。私には口腔カンジダに隠された大きな病気(糖尿病やHIV感染)なども無く、歯の手入れも充分だったようで、医師も不思議がっていました。
膣カンジダで通院しているかかりつけの産婦人科にも、口腔カンジダの発症を伝えたところ、内服薬の「ナイスタチン」を処方されました。ナイスタチンは消化管カンジダ症(腸カンジダ)に使われるお薬です。
カンジダだけでなく体のあちこちにも不調が出ていたので、あの時ばかりは「私はリーキーガット症候群だった」と言ってもいいんじゃないかと勝手に思っています。もちろん、リーキーガット症候群のせいばかりにせず、それぞれの症状に対しきちんと通院しました。
今となっては口腔カンジダ発症の理由は判明していて、それはパートナーの義歯のお手入れ不足だったという何とも恥ずかしい理由だったわけですが、その後もカンジダが長引いてしまったのは私の免疫力が万全ではなかったのかもしれません。
膣カンジダと口腔カンジダを発症した時期の不調
実際に、私がカンジダ(膣カンジダ、口腔カンジダ、消化管カンジダ症など)に苦戦していたときの不調をざっと挙げてみます。
手足に沢山の湿疹や蕁麻疹ができる
治ったはずのアトピーが再発
アトピーのときにすら出なかった場所(ふとももなど)にも湿疹ができる
目のかゆみや充血が出る
以前からあったアレルギー性鼻炎も続いている
背中や首に原因不明のカサカサした赤い部分ができる
すねの皮膚にもカサカサした赤い部分ができる
唇が腫れる
今までの人生にないほど頻繁に喉が痛くなる
頭皮がかゆくなり、匂いがすると共に黄色っぽい汁が出て固まる
脂漏性皮膚炎の症状が出る
夜に甘いものが食べたくなる
通院し、医師の指示を守って治療しているが、膣カンジダの再発を繰り返す
イライラや鬱っぽさがあり、さわやかな気分を忘れてしまう
上記のいくつかの症状が同時に出て、1つを治療しても他の部分の症状が気になるといった感じでした。大まかな共通点として、通院するとアレルギーのお薬を処方されます。
皮膚科ではステロイド入りのアレルギー薬(セレスタミン配合錠)、耳鼻科では抗炎症作用・抗アレルギー作用のあるステロイドの点鼻薬(アラミスト)、皮膚科ではステロイドの塗り薬(リンデロン、リドメックス)などが処方されました。あとは保湿剤(ヒルドイドソフト軟膏)もたっぷりと処方されました。アレルギーに加え、全体的に皮膚や粘膜のバリア機能が低下している印象です。
厳しい食事療法なしでリーキーガット症候群から脱した私
リーキーガット症候群の人が控えたほうがよい食べ物
リーキーガット症候群の食事療法は、現代人にとっては難しいかもしれません。リーキーガット症候群の人が控えたほうがよいと紹介されている食品リストの中で、よく目にするものは以下の通りです。

糖質を多く含む食べ物
グルテン(小麦粉)
カゼイン(牛乳、乳製品)
大豆製品
加工食品、添加物を多く含むもの
トランス脂肪酸や酸化した油など質の悪い油
アルコールやカフェイン
小麦粉も、乳製品も、大豆もNG?これは私には到底無理だと思いました。しかし、結果から先に言うと、これらのものをさして制限しなくてもカンジダやリーキーガット状態を抜け出すことはできたのです。
そこで、「リーキーガット症候群の傾向が強く出ていた時期」の食生活と、「リーキーガット症候群の傾向があまりない」現在の食生活を比較してみることにしました。なお、若い頃の食生活は無理が効くため、参考にはしません。
リーキーガット症候群の傾向が強く出ていた時期の食生活
外食が増えていた
野菜が少なく、炭水化物と脂肪分が多い食事
野菜不足のときは野菜ジュースで補う
飲み物はペットボトルの水やペットボトルのお茶
外食なので、自炊した料理より味付けが濃い
コンビニ食になるときは、納豆巻きやサラダ、ヨーグルトなどそれなりに工夫していた
1日1個はパンやスコーンを食べていた
食材の種類が少なめ(品目が少ない、同じ食材を使うことが多い)
夜遅くにパンやヨーグルトなどを食べることが多い

リーキーガット症候群の人が控えたほうがよい食べ物(糖質、グルテン、大豆製品、カゼイン、カフェイン)を見事に摂っています。自炊する回数が減ると、質の悪い油を摂っている可能性も高まります。
コンビニ弁当やスーパーのお惣菜を買うときもできるだけヘルシーなものを選んだり、外食でも一汁三菜の定食を選ぶなどできるだけ気を付けていましたが、それでも肌は荒れていました。野菜不足のメニューの際は、野菜ジュースで補っていましたが、やはり新鮮な野菜や果物には適わないのだと思います。脂漏性皮膚炎にもなりました。私の場合、お菓子や脂っこいものを多く摂り、新鮮な野菜や果物の量が減ると脂漏性皮膚炎が出てきます。
リーキーガット症候群ではない、体調が良い現在の食生活
シンプルな自炊
調理は凝りすぎない(加工度が低い)
揚げ物は少ない
砂糖を多く使う和食の煮物は少なめ
薄味
インスタント物はほとんど食べない
肉も魚も食べる
白米も食べる
お肉はミンチが好き(分厚いステーキや塊の肉は苦手)
納豆は毎日1パック食べる
にんにくやショウガを愛用
梅干しやシソが好き
海外のレモンは使わず、国産の柑橘類を使う
緑茶は毎日飲む(ただし、自分で茶葉から淹れたもの)
チーズやヨーグルトも食べるが、牛乳は飲まない
1日に食べる品目数が多い(30品目近く)
栄養を補うようなお菓子が好き(いりことアーモンドなど)
これは、現在の食生活でもあります。今のところ、自分の人生の中でもかなり体調が良いです。今不調なところを挙げるとしたら、副鼻腔炎と乾燥肌でしょうか。この2つだけは食事や生活習慣ではどうにもならず、苦戦しています。副鼻腔炎と乾燥肌。リーキーガット症候群との関連性は微妙なところですが、この2つが緩和されるような食事があれば、また記事を書き加えていきたいです。
リーキーガット症候群から脱したきっかけ
過去の記事「繰り返す膣カンジダを治した経験からまとめた、膣カンジダ自分で治す方法。」でも取り上げているのでここでは多くを書きませんが、膣カンジダ・口腔カンジダ・腸カンジダといった具合にカンジダのオンパレードだった私を助けてくれたのは、主にアリサンアップルビネガーとカンジタクリアスーパー*の2つでした。個人的な感想ですが、これらは病院で処方されていた消化器カンジダ症のお薬「ナイスタチン」よりもしっかりとした効き目を感じました。
ちなみにアリサンアップルビネガーもカンジタクリアスーパーも「食品」であり、「お薬」ではありません。アリサンアップルビネガーは有機リンゴ酢、カンジタクリアスーパーはサプリメントでハーブやプロバイオティクス(乳酸菌)などでできています。
*2018-03-22現在、Amazonにおいて、カンジタクリアスーパーは単品での取り扱いはないそうです。フェミプロバイオとのセット販売はあるそうです。(サイドバーから購入できます。)
糖質制限よりも健康的になった食事法
それぞれの体質に合った食事療法を
私は過去に摂食障害(拒食症や過食症)になったことがあります。過食症のときは甘いものやスナック菓子など沢山食べていたので、よくカンジダにならなかったなぁと不思議に思います。しかし若かった当時においても、一度発症してしまったら治りにくかったかもしれません。
私の場合、糖質制限をするとスタミナ切れで体調不良に陥り日常生活に支障が出ます。それは、カンジダダイエットにおけるダイオフ(カンジダ菌が死滅する際に毒素を出すため体調が悪くなること)ではなく、カンジダを一度も発症していないときからでした。元々あまり体が強くなかった私は、エネルギーが不足すると、てきめんにスタミナ不足になるのです。内科にかかると「糖尿や低血糖はありませんでしたよ。お腹がすいたら食べてください」といったごくごくシンプルなアドバイスをされました。そしてそれは効果がありました。
また、糖質制限をすると拒食症だった頃に似た精神状態になってしまいます。あくまで個人の体験談ですが、糖質を制限すると、神経が研ぎ澄まされたようになり、とても集中できます。ただし、それも一時的なもので、しばらくするとエネルギー不足でスタミナもなくなり、集中力が無くなり疲れやすくなります。
それぞれに合った食事が必要だと感じることは度々あります。例えば私は繊維質の多い食事をすると消化不良と下痢をしてしまいます。ある日のこと、マクロビのレストランに行きました―その日のランチは雑穀米に豆のカレーでした―よく噛んだのですがやはり繊維質の多い食事で下痢をしてしまい、しばらく腸の調子を崩してしまいました。私の場合マクロビは、おやつに取り入れるなど部分的に取り入れるくらいが丁度いいようです。あの繊維質たっぷりのランチは、便秘気味の人には良いメニューだったかもしれません。
祖母のメニューを参考に
今は亡き祖母ですが、元気で90代まで長生きしました。私が20代の頃なんて、80代だった祖母のほうが元気でした。そんな祖母の食生活は私の憧れでした。
食卓に、庭から摘んできたばかりの野菜が並ぶ。お肉やお魚も食べる。季節の行事の際も、手作りの食べ物が並ぶ。梅干しも、庭になった梅の木と紫蘇で作られた自家製のもの。旬の素材を使った手料理を中心としつつも、米菓などのあっさりしたおやつも食べるし、時には炭酸飲料まで飲むのです。
大人になって摂食障害を患っていた私が、久々に祖母の手料理を食べたとき、本当に感動しました。「すごーい。健康になりそう。しかも、神経質でもなく好きなものを食べている。羨ましい…私もこんな食生活が送りたい!」深くそう思いました。そして現在、少しずつ憧れの祖母の食生活に似てきています。もちろん、拒食の頃や糖質制限をしていた頃よりスタミナがあり体調がよいです。
Comments