女性が膣カンジダを発症する原因7つと、見落としがちなこと
- S H
- 2017年12月12日
- 読了時間: 9分
2017-12-12
今回は、膣カンジダ(カンジダ膣炎)が発症する原因と再発してしまう原因を、体験をもとにまとめてみました。
このサイトを読んでくださっている方は、既にある程度カンジダについて調べていてこちらにたどり着かれたのだと思いますので、基礎は簡単におさらいするにとどめ、応用編で見落としがちな点をチェックしていくことにしましょう。
Contents
カンジダ膣炎、発症の原因は?【基礎編】
まずは基礎を簡単におさらいします。
【カンジダ膣炎、主な発症の原因】
体力や免疫力の低下・・・疲労、睡眠不足、風邪、ストレスなど
ホルモンバランスの変化・・・生理前後、妊娠中、ピルの服用など
お薬の影響・・・抗生物質(常在菌の死滅)、ステロイド剤(免疫力が低下する)、制癌剤など
服装や環境・・・下着や衣類の通気性が悪い、しめつけなど
他の疾患によるもの・・・糖尿病など
性行為によるもの・・・性的接触によるもの(発症原因の5%と言われており、意外に少ないことが分かる)
その他・・・膣内を洗いすぎたときなど
上記のいくつかの組み合わせで起こる場合もあると思います。
ガンジダ膣炎、発症の原因を探る【応用編】
妊娠中や抗生物質の服用など、原因が比較的はっきりしている場合は納得できるものです。
ですが、「今まで睡眠不足や風邪でもカンジダにならなかったのになぜ?」と思う人や、「パートナー(彼氏や夫)が原因だと思ったのだけど、相手には症状が出ていないようだ」などすっきりしない悩みを持っている人も多いようです。
典型的な発症の原因は調べると沢山出てきます。それはプロ中のプロが作ったサイトを見るのが一番です。(私が好きなのはサトウ製薬「エンペシドL」のホームページです。)
ここでは、実体験に基づいて見落としがちなポイントを少し詳しく見ていきます。
【カンジダ膣炎、発症の原因について見落としがちなこと】
1.体力や免疫力の低下
今まで発症したことがなくても、発症することはある
「今までも疲労や睡眠不足、抗生物質の服用などあったけれど発症しなかったのに。」私はそう思いました。
私がまだ若い頃、深夜まで遊び睡眠時間は2~3時間、翌日も朝から出勤、コーヒーや栄養ドリンクで目を覚まし、帰宅後は甘い物をたくさん食べる、そんな生活のときもありましたがカンジダを発症したことは一度もありませんでした。
そんな私でも30代で初めて発症し、一度発症してからは中々治らず再発を繰り返していました。(最終的にはまた、多少無理したり抗生物質を服用したりしてもカンジダは再発しないようになりましたが)
これまでにカンジダが好発する状況で発症したことがない人でも、何かをきっかけに発症することはあります。私のようにパートナーの口腔という性的接触による感染経路は少ないようで、主な感染経路は自己感染だと言います。
カンジダ菌は皮膚、口腔、消化管、膣、直腸などに存在する常在菌の一種であり健康な人でも保有していますので、免疫力が落ちたり常在菌のバランスが崩れたりすると誰でも感染する可能性があるのです。
2.ホルモンバランスの変化
妊娠中のカンジダはとても多い
カンジダの話を人前でする機会が少ないためか、「カンジダを発症した」という話は実生活ではあまり聞きません。
聞いたことがあるのは、妊娠中の友人から。そして、私が「カンジダでつらい」と話した際に知人が「私も妊娠中になった」とカミングアウトしてくれたとき位です。
今のところ、私の周りのカンジダ経験者は現在妊娠中または妊娠していたとき、のどちらかしか知りません。
カンジダ陽性の割合は、非妊婦約 15%、妊婦約30%と妊娠中の方が2倍感染しやすいとのことです。(※日本感染症学会による)
3.お薬の影響
抗生物質(抗生剤)、ステロイドなどの投与
抗生物質は様々な診療科で処方されます。私が覚えているのは、風邪の悪化で扁桃腺が腫れたときに内科で、副鼻腔炎のとき耳鼻科で、後は歯科でも処方された記憶があります。
抗生物質は簡単に言うと細菌を殺すお薬です。抗生物質は悪い菌だけでなく、体に住んでいる善玉菌も殺してしまうので、カンジダ菌の増殖を抑えることができなくなるのです。
私は今までに抗生物質を飲んでいてもカンジダが発症したことはありませんでした。しかし、一旦カンジダを発症してからは、抗生物質を服用するとカンジダが再発するようになってしまいました。
ステロイドの投与も免疫力の低下を招きます。私は耳鼻科でステロイド点滴を受けたことがあり、その時は看護師から「免疫力が落ちるので、風邪などひかないように気を付けてください」と説明がありました。
4.服装や環境
服装や環境で股間にカビなど本当にあり得る?
通気性の悪い下着や締め付けの強いガードルなどが、カンジダを誘発するなんて本当でしょうか?私はいまいちピンと来ませんでした。しかし、適度な温かさと湿度が菌を増殖させるというのはとても理解できます。
過去に短期入院をしたことがあるのですが、その際まとめて洗おうと思ってビニール袋に入れておいたショーツにカビが生えてしまったのです。初夏の汗ばむ陽気の頃、一週間くらいの放置だったと思います。条件さえそろえばカビは増殖します。
また、夫が頻繁に運動をしていた頃、股ずれができて痛むというので皮膚科に行ってもらったところ、「検査したらカビが出たらしい」と報告してきたことがありました。
私は心の中で「まさかカンジダ?」と警戒しましたが、そのカビ(真菌)とは白癬菌だったようです。ちなみに股部白癬のことを「いんきんたむし」と呼ぶそうです。
カンジダもカビ(真菌)の一種です。夫は今まで股部白癬などなかったのですが、運動で汗をかくようになってから症状が出てきたので、やはり服装や環境でカビが増殖するというのはあるのだろうなとしみじみ思いました。
5.他の疾患によるもの
中々治らない場合、糖尿病がないか調べてもらう
特に若い世代にとっては「糖尿病」は他人事だと感じるでしょう。しかし、私の周囲には30代で血糖値がとんでもないことになっていた人もいました。(甘いペットボトル飲料の飲みすぎだったようで適切な治療を受けて治ったようです。)
カンジダ膣炎が中々治らない、慢性化している方は、一度糖尿病でないか検査してもらうとよいでしょう。
私は内科を受診して調べてもらいました。採血と尿検査がありましたので、通院直前にお手洗いに行かないようにお気を付けください。うっかりお手洗いに行ってしまった私は、看護師さんからお水を渡され、飲みながら待合室で1時間くらい時間を潰しました…(^^;)
多くの人は糖尿病には該当しないと思いますが、これを機に検査してもらい、糖尿病がないと分かると少しほっとしますよ。
6.性行為によるもの
パートナーの口からうつることもある
これは、私がカンジダを発症した直接の原因と思われるものです。性行為による感染は発症原因の5%程度と少なく、私も最初は別のことが原因だと思っていました。
しかし、半年以上もの間カンジダ膣炎を繰り返し、酷いときには口腔カンジダにまで罹った私が徹底的にカンジダ対策をしたところ、やはり「直接の原因はパートナーの口腔を含む性的接触によりうつったものであろう」という結論が自分なりに出ました。
私の夫はアラフォー世代ですが、子供の頃歯並びが悪かった影響で、大人になってから奥歯に一部義歯(部分入れ歯)をはめています。義歯は手入れを怠ると口腔内の環境がとても悪くなります。
義歯(デンチャー)に付着する歯垢(プラーク)を「デンチャープラーク」といいます。デンチャープラークは自然歯のプラークに比べ真菌が多く、カンジダ膣炎の原因となるカンジダ菌(カンジダアルビカンス)が多く含まれているそうです。
入れ歯や部分入れ歯は無くても、お口の中の環境が悪い場合もカンジダ菌が増えている可能性はありますので注意します。
毎日のお手入れと共に、性的な接触を持つ場合(キスやオーラルセックスなどを含む)、事前にパートナーと二人で歯磨きをすることをお勧めします。
7.その他
女性の陰部は洗いすぎないこと
お風呂に入る際、女性の外陰部はぬるま湯で軽く洗い流す程度がよく、膣内までは洗いません。洗いすぎると膣内の環境が崩れてしまいます。
特に、性行為の前にごしごし洗うのは控えましょう。ごしごし洗って過敏になった状態で性行為を行うと、一段とダメージを受けてしまいます。
どうしても膣内を洗浄したい場合は、「インクリア」のような専用の膣洗浄器で洗うことが考えられます。使用上の注意や用法、用量を守って安全に使用しましょう。
カンジダの治療中で膣錠を入れている場合などは使用しないでください。(膣錠には一週間持続するタイプもありますのでご注意を。)
カンジダ膣炎のおりものとは別に、健康な人でも「恥垢」といって白っぽい垢が溝のあたりについていることがあります。
その場合、お風呂上りに綿棒にベビーローションなどをつけて、優しく拭うとよいでしょう。強くしたり痛みが出るようなやり方はしないでください。(参照:池袋クリニック「女性のための医療相談掲示板」※現在、新規相談は受け付けていないそうです。)
私は、カンジダによる白いおりものが外陰部まで付着している場合も、同様に優しく拭き取っていました。拭き取ってから優しくカンジダ治療薬のクリームを塗ると、拭き取らないときより痛痒さが軽減します。
いくつかの組み合わせによって分かりにくいもの、潜在的なピンポン感染
お互いが菌をうつしあう「ピンポン感染」の場合は、女性だけが治療をしても再び性行為等でカンジダをうつされてしまいます。この場合は二人とも治療をする必要があります。(双方が治るまで性行為をしないでくださいね。)
なお、あくまで経験上ですが、パートナーの男性器に発疹やかゆみ等のカンジダの症状が見られず、泌尿器科で検査してもカンジダには該当しなかった場合でも、性行為をする度に女性側がカンジダになってしまうことがあります。
いくつかの注意点を守れば、大分改善する可能性があります。
性行為の前に、男性にもシャワーやお風呂で綺麗に洗ってもらうこと。
女性は陰部を強く洗いすぎないこと。
性行為の前には二人とも歯磨きをすること(歯ブラシは定期的に取り換えること)。歯茎を傷つけないように。
粘膜を傷つけるようなことはしないこと。
女性はパートナーの爪、髭などが当たって痛いなどのときも我慢しないこと。
性行為の後もシャワーへ。特に女性は陰部を強く洗いすぎないこと。
普段から免疫力を上げておく。
パートナーの下着やパジャマ、ズボンなど、特に股の部分をよく見て、小さなカビ(繊維に黒い点々など)がないか確認しましょう。
カンジダ菌によるものでなくても、カビはアレルギーや体調不良などの原因になり得ます。
パートナーの部屋や布団がカビやじめじめしていないかチェック。できるだけ改善を。
パートナーの部屋の掃除機や拭き掃除、換気などすると安心です。
便座や便座カバー、お風呂の浴槽や椅子なども念のため綺麗にしておきましょう(白癬菌対策にもなります)。
ざっくりこのような感じです。カンジダ対策のお掃除や洗濯については、後日また新しい記事をUPしたいと思います。
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