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膣カンジダ(カンジダ膣炎)の症状。軽度では自然治癒する?軽度とはどのくらい?

  • S H
  • 2017年12月6日
  • 読了時間: 12分

2017-12-22 ※人気記事につき、2018-08-02更新!

 

【今回は、下記のような疑問の解消を目指します】

  1. 膣カンジダは、軽度のときは自然治癒することもあると言われていますが実際はどうなの?

  2. 軽度とはどのくらいの症状のこと指すの?また、酷くなるとどうなるの?

  3. 膣カンジダになると、おりものに匂いはあるの?

  4. 膣カンジダの症状に「出血」はあるの?

忙しい人は【まとめ】をご覧くださいね。

 

Contents

膣カンジダ(カンジダ膣炎)の症状。実体験をもとに。

人生で初めて膣カンジダになったとき

まずは人生で初めて膣カンジダを発症したときのことです。陰部に不快感を伴う強いかゆみを感じました。

かゆみが不快なのは当然なのですが、強烈に嫌な感じがするかゆみなのです。生理でかぶれてかゆい、というレベルとは違っていました。

「すごくかゆい…。性病だったらおりものに変化が出るのでは」という少ない知識のもと、ショーツのおりものをチェックしましたが、見た目・匂い共にその時は特に問題がないように見えました。(量がほとんどなかったように思います。)

翌日か翌々日くらいだったでしょうか、再び訪れた強いかゆみに嫌な予感がし、ショーツではなく陰部を直接鏡で見てみました。嫌な予感は的中です。そこには衝撃的なものが映っていました。

外陰部に、液状ではなく固形の白っぽい物がいくつか付着していたのです。以前どこかで聞いたことがある「カンジダ」というものになってしまったと、すぐ分かりました。

「先日確認したときは、おりものがたまたまショーツに降りてきて来てなかっただけかも・・・。或いは一晩で悪化した?」明らかなおりものの変化に衝撃を受け、すぐさま産婦人科へ掛かりました。そして案の定「カンジダ」と診断されました。

「カンジタ」「カンジダ」どちらが正しい?

ヒトのカンジダ症を引き起こす病原菌はカンジダは真菌のカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)です。よって最後の一文字は「」であり、濁音です。

しかし、普段の会話で使う際は「カンジ」と発音している人も多いことから、あまり気にしなくてよいと思われます。

カンジが正しいのですが、私の周りでは、出産を経験しているママさんから「妊娠中、カンジになったことがある」などと濁音なしで話しているのを何人か聞いたことがあります。

カンジダ対策で有名なサプリ「カンジクリアスーパー」も濁音なしですが、英語表記のラベルではCandidaと書かれています。訳は口語に合わせてあるのでしょう。「ドクターズチョイス カンジタクリアスーパー

(iPhoneでのスクリーンショットです。)

Google検索してみると、「カンジ」で約1,750,000件、「カンジ」で約890,000件のヒットがありました。本当はカンジだけどカンジでもかなりヒットしているので、周りが「カンジ」と発音していたら合わせてもいいと思います。

なお、ネットでは「膣カンジダ」「カンジダ膣炎」「膣カンジダ症」「性器カンジダ」などとさまざまな呼ばれ方をしていますが、産婦人科の先生はシンプルに「カンジダ」と言われていました

膣カンジダが「酷いとき・軽いとき」の症状を比較する。

症状が「酷いとき・軽いとき」の比較図

膣カンジダの症状は程度によって大分違っていました。特におりものは症状により大きく変化します。私の場合は大まかに、下記の図のような差が見られました。

もちろん症状には個人差がありますが、実際に体験した例をご紹介しますね。

図表1 膣カンジダが軽いとき・酷いときの比較図


「酷いとき」の症状について

まずは、膣カンジダが「酷いとき」の症状についてです。前章の図表に書いたように複数の症状が見られます。

■膣カンジダが酷いときの症状

【おりもの】

・おりものがカッテージチーズ状になる

・おりものは白いカスのように陰部に付着している

・おりものは濡れたトイレットペーパーのかすのように繊維っぽいことも

・ヨーグルト状の白いおりものが沢山出ることも

※膣カンジダが酷いときのおりものは、よく「カッテージチーズ」に例えられます。カッテージチーズは、ボソボソとした紙粘土が固まる前のような独特な感触をしています。下の画像はカッテージチーズです。

【痒み、痛み】

・強いかゆみがある

・痛みもある

・もはやかゆみを通り越して痛いだけのときもあり

・排尿痛があったことも

【灼熱感、炎症】

・灼熱感(肌が熱くヒリヒリ焼けるような感覚)がある

・炎症や腫れがある

・炎症により膣口の赤みが増しているように思う

【かく、かき傷】

・かいてしまい、傷やただれになっているようだ

・かいてしまった部分や摩擦があった部分に、少量の出血が見られることも

【匂い】

・おりものに匂いはなく、むしろ健康なときにあった「おりもの特有の軽く酸味のある匂い」が無くなっている

などなど。

婦人科・産婦人科へ通院することに抵抗がある人も多いと思いますが、このくらいはっきり症状が出ている場合は迷わず婦人科・産婦人科へ行きましょう。

膣カンジダは女性の5人に1人は発症すると言われているありふれた疾患です。婦人科・産婦人科の先生方にとって、それは見慣れた疾患なのですから、恥ずかしいことはありません(^^)

私は半年以上もの間、膣カンジダを繰り返しましたが、このようなはっきりとした症状が一旦出てしまうと、残念ながらそこから自然治癒したことはありません。

生理が来ると経血で流れるのか、若干カンジダが軽減したような気もするのですが、ナプキンで蒸れるなどして結局かぶれたりしやすいですし、生理後もカンジダの症状が残ってしまいます。

次は、先述した「膣カンジダが酷いときの症状」に加え、日常生活で困ったことを挙げてみます。

■膣カンジダが酷いときの日常生活での支障

・夜、寝る前に症状(かゆみ、痛み、灼熱感、不快感など)が悪化し、安眠の妨げになる

・日中もかゆみ、痛み、灼熱感があり、自転車に乗れない、歩くとこすれて痛いなど支障が出る

・パートナーとの性行為を断らなくてはならないし、その理由が「カンジダ」であると言いづらい

・パートナーに感染していないか心配(ピンポン感染=うつしあいをしていないか心配)

・治療中、ショーツに治療薬のクリームや膣錠が溶けだしたものが付着する

・治療薬のクリームや膣錠で下着を汚したくないが、おりものシートは「通気性が悪くなるためできるだけ使用しないほうがよい」とのことで使えない

・ストッキングやタイツ、スキニージーンズなどは通気性の悪さや締め付けから避けたほうがよく、ファッションに制限が出てくる

・かいてしまうことにより炎症や傷が悪化し、下着が触れるのも痛い

・ここまで悪化すると「他に病気が隠れているのでは?」「もう治らないのでは?」などと不安になり、精神的に参る

などなど。これまた結構つらいです。

「軽いとき・軽度」の症状について

では、どのくらいまでが「軽い」「軽度」と言えるのか、私の症状とそれを診察した産婦人科医の見解と照らし合わせてまとめてみました。何か月も通院していた中で、産婦人科医からカンジダの程度が軽い時は「軽いです」と教えてくれていました。(※これは覚え書きであり、厳密な診断基準とは異なりますのでご了承くださいね。)

膣カンジダが軽いときの症状

【おりもの】

・おもゆ状のおりもの(おかゆほど固形ではない)

・糊のように白濁する(乳白色の半透明)

・ペタペタした感触(でんぷん糊を薄めたようなイメージ)

【かゆみ】

・かゆみがある

・ムズムズ、ヒリヒリ、ピリピリ、チクチクのような不快感がある

・最初はかゆみだけだったが、性交痛など少しずつ異変を感じる

【炎症、灼熱感】

・灼熱感(肌が熱くヒリヒリ焼けるような感覚)がある

・膣口が若干炎症を起こしているように見える

【匂い】

・おりものに匂いはない(もしろ、いつもの匂いより薄いことも)

などです。

膣カンジダは軽度のとき、意外と自己診断が難しいのです。私はさまざまなパターンを経験しました。

「かゆみ、おりものの軽い白濁・ベタつきがあり、産婦人科へ通院したところ・・・」

1.問診や内診により、その場で「膣カンジダ」と診断された。

2.検査(細菌培養)をして、翌週の診察時に「カンジダは検出されませんでした」と言われた。

3.問診や内診により、その場で「おりものが少し黄色っぽく、細菌感染しているようなのでカンジダの薬ではなく細菌感染のお薬を出しておきます」と言われた。

4.膣カンジダがすっきりせず2~3週間通院し、自分ではもうそろそろ治っているだろうと思っていたが、念のために内診を受けたところ「カンジダ、まだ少し残っています」と言われた。

…と、このようにさまざまなパターンがありました。Ⅳのパターンに関しては本当にがっかりでしたが、通院してよかったです…。治ったか治っていないか微妙で、今後性行為などして大丈夫なのか心配な際は、通院しておくほうが無難です。

「かいてしまったとき」の症状について

■膣カンジダでかいてしまったときの症状

・炎症の悪化

・傷ができる

・かぶれたようになっている

・透明で、やや黄色がかった汁(浸出液)がにじみ出る

・わずかに出血する

・どこまでがカンジダの症状でどこからがかいてしまった炎症なのか分からない

・かゆみを越えて痛みがつらい

このような状態になったときは、産婦人科で正直に状態を伝えました。

すると、カンジダの部分にはカンジダのお薬(エンペシドクリーム)、外側の外陰部には別の軟膏(ハイセチンP)を処方され、塗り分けるように言われました。きちんと塗り分けたところ、掻き傷も治すことができました。

膣カンジダが軽度の場合、自然治癒するのかどうか。

“膣カンジダは軽度のものなら自然治癒することもある。”ネットの情報では、そのように書かれているのをよく見かけました。実際はどうなのでしょうか?半年以上カンジダの再発を繰り返していた私の経験では、

「カンジダが発症した」とはっきり分かる→放置して自然治癒

というパターンは、残念ながら一度もありませんでした(自然治癒で検索してくれた方、すみません)。ただし、何らかの手を打って自宅で治したことがあることも事実です。

■軽度の膣カンジダになったとき自然治癒したかどうか

・そもそも、放置したことがほとんどない(通院、サプリメント、食事療法、海外の薬の購入など何らかの手を打っていた)

・「もしかしてカンジダが再発し始めたかも?」というごく軽度のときは、通院せずともリンゴ酢の飲用など民間療法で治まった(自然治癒を助ける)

・軽度の膣カンジダの際、「生理が来たら治るかも」と通院しなかったが、結局生理後も膣カンジダのままだった

・軽度の膣カンジダを放置していたら、悪化した

などなど。

軽度の膣カンジダでも、初めて罹った場合や中々治らない場合は通院することをお勧めします!他の病気が潜んでいないかの確認も大事だからです。

繰り返すカンジダには、自分に合った予防法や治療法を持っておくと便利です。典型的な再発の場合、市販の「エンペシドL」等で対応できる場合もありますし、私の場合は「アリサン アップルビネガー」という有機リンゴ酢の飲用で予防しています。

カンジダ対策で効果があったものは次回の記事でご紹介します。

膣カンジダの症状に「匂い」は基本的にはない。

膣カンジダについて必死でネットで調べていた頃、「カンジダの特徴はおりものが酸っぱいに匂いがすること」「魚臭い・生臭い匂いがすること」と書かれてあるものがしばしばみられました。

しかし、膣カンジダの症状に「おりものの匂い」はありません。匂いの異常がある場合は、細菌性膣炎など別の病気の可能性もありますので通院して相談しましょう。

おりものは健康なときでも少し酸味のあるような酸っぱい匂いがします。ヨーグルトやチーズのような匂いだと感じる人もいると思います。

それは、乳酸桿菌という良い菌が膣内を酸性に保ち、雑菌の繁殖を防いでくれているためです。膣内のpH値は3.8から4.5の弱酸性に保つと良いそうです。

私は妊活をしていたことから、おりものを観察する機会は比較的多く、匂いの変化にも着目していました。膣カンジダが再発すると、おりもの特有の少し酸味のある匂いが無くなる、または弱まることに気付きました。

実体験で分かったことは、カンジダを発症すると嫌な臭いが出るのはなく、むしろおりもの特有の少し酸味のある匂いが無くなり、無臭に近づいていきます。

膣カンジダは、ホルモンバランスの変化や抗生物質による善玉菌の死滅など何らかの影響で腟内のpHが変化し、カンジダが腟内で大量増殖することにより発症します。

膣内pH値は健康なとき弱酸性ですがそれが中性やアルカリ性に傾くと自浄作用が弱まり、カンジダやその他の病気に罹りやすくなるのです。

更に、矛盾するようですが膣内pH値は酸性に傾きすぎても膣カンジダになりやすいとのこと。妊娠中やピルの服用時はホルモンバランスの影響で膣内のpHが酸性に傾くそうです。

酸性に傾きすぎても中性~アルカリ性に傾きすぎてもカンジダのリスクは高まってしまうのです。

 

【まとめ】忙しい人は、こちらをご覧ください

1.膣カンジダは、軽度のときは自然治癒することもあると言われていますが実際はどうなの?

膣カンジダはごく軽度のときは自然治癒することもありますが、ごく軽度だとまずカンジダかどうか分かりづらいです。

特に初めての場合は通院をお勧めします。再発で軽度の場合は、市販薬で自宅で治すこともできます。私の場合、ごく軽度の再発のときはリンゴ酢などで治します。

2.軽度とはどのくらいの症状のこと指すの?また、酷くなるとどうなるの?

あくまで体験によるものですが、図表1を参考にしてみてください。「ごく軽度」は軽度よりさらに軽い状態で、一過性の蒸れなどによるかゆみと区別しづらいです。

3.膣カンジダになると、おりものに匂いはあるの?

膣カンジダの症状に「おりものの匂い」はありません。おりものの匂いに異常があった場合は他の病気が考えられるでしょう。

4.膣カンジダの症状に「出血」はあるの?

膣カンジダそのものの症状に「出血」はありませんが、かいたり炎症部分がこすれたりすることで出血したこともありました。

出血は、他の病気の可能性もあります。早期発見のためにも通院をお勧めします。女性は生理や排卵出血など問題のない出血もあり、自己判断が難しいのです。

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